郡山市ふれあい科学館では、2022年8月27日(土)に海洋研究開発機構(JAMSTEC)と連携して、海博士になろう講座「測って謎解き<海の変化>」を開催いたしました。

 今回は、観測による海洋環境変動の把握を専門とする佐藤 佳奈子先生(JAMSTEC技術副主幹)と一緒に、実験や研究の体験をしていただきました。

 

 広大な海の温度は一様ではありません。世界の海の表面温度の差は最大で28度。では、深さによる違いはどのくらいでしょうか? 参加者の方には、それを確かめる実験をしていただきました。

 まず、底を氷で冷やした試験管の中に常温の水を注ぎ、海を再現します。次に、温度計で試験管上部と下部の温度を測り、メモします。少し難しいワークでしたが、ほとんどの方が約20度差の海を再現することができました。

 次に、再現した海がどの辺りの海になるのかを、実際に研究者の方が使用している図に印をつけていただきました。さらに難しいワークでしたが、お父さん・お母さんや佐藤先生と協力しながら、それぞれ再現した海の位置に印をつけられていました。
 その後、佐藤先生には塩分濃度の差についても解説していただきました。広く深い海には、場所によって細やかな違いがあるということを知っていただく機会になりました。

 佐藤先生には、海にはどのような変化が起きているのか、その変化が起こしている影響(ラニーニャ現象など)、そして変化を捉えるための観測方法もご紹介いただきました。

 写真にある模型は、観測に使用しているロボット「アルゴフロート」です。世界の海に4000台も投入され、海の変化を細やかに捉える助けになっています。参加者の方は、中も見えるようになっている模型を皆様じっくり見て、その機能や構造にとても興味を持っているようでした。

 最後に、アルゴフロートの活躍で得られたデータをもとに、2005~2020年までの熱量の変化を表すグラフを作っていただきました。こちらは、実際の研究者の方も行うワークで、参加者の方全員が、グラフを完成させることができ、15年間で熱量がどんどん上がっている様子をしっかり捉えることができていました。

 

 深く広い海の細やかな違いや変化を知り、それらを捉える難しさや重要性を感じていただける講座となりました。

 佐藤先生、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。