郡山市ふれあい科学館では、2022年10月15日(土)に海洋研究開発機構(JAMSTEC)との連携により海博士になろう講座「飼育して知る海の生き物」を開催いたしました。

 講師には、JAMSTEC技術スタッフの長井 裕季子 先生をお迎えしました。

 

 はじめに、長井先生の専門である有孔虫を紹介いただき、その遺骸である「星の砂」などを観察しました。

 数ミリほどの粒を顕微鏡で観察してみると、粒のひとつひとつには穴が空いています。また、星の形ばかりでなく、太陽のような形のものや、ゴツゴツした形のもの、模様のあるものなど、様々な種類があることに気づきます。長井先生には、有孔虫の種類はもちろん、有孔虫にある穴がある理由や、有孔虫が生きて動いているときの様子などを紹介いただきました。

 参加者の皆さんは、たくさんの種類の有孔虫を見つけて楽しみながら有孔虫の不思議な生態について学んでいました。

 次に、長井先生が飼育し研究する深海の生き物たちを紹介いただきました。実際に深海で生きている姿を観察することで分かる生態の特徴もたくさんありますが、飼育してじっくりと生きている姿を観察することで分かることもたくさんあります。例えば、脱皮の様子や、何をどのくらいの間隔でどのように食べるのか、生体同士の関係性などです。

 深海生物はわたしたちよりもゆっくりとした時間を生きています。タイムラプス撮影を利用したりなど、長い時間をかけて観察すると気づくことも多いそうです。

 参加者の皆さんは、深海生物のおもしろい生態のお話に興味津々で、長井先生に活発に質問をしている姿が印象的でした。また、先生から出題される深海生物に関するクイズも、正解する人が多く、海の生き物に関する知識を着実に身に着けている様子も伺えました。

 楽しく海の生き物について学んでいただける講座となりました。長井先生、サポートいただきました豊福先生、本当にありがとうございました。