[9] イロイロ変わる色のひみつ(下)

2002/08/07


 前回の実験では、むらさき色がイロイロな色に変わってしまいましたが、今回はその理由から説明していきましょう。
 ムラサキキャベツ水にまぜたときに赤くなるのは、すっぱい味のする液体でした。これらの液体の性質を酸性といいます。酸性の液体は、金ぞくなどをとかします。酸性雨という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ふつうの雨も弱い酸性ですが、酸性雨はもっと強い酸性で、この雨のために銅像の表面がとけてしまうことがあります。
 また、まぜると青っぽい色になる液体の性質をアルカリ性といいます。アルカリ性の液体は、たんぱく質などをとかします。さわるとぬるぬるしたのは、手の表面のたんぱく質が少しだけ、とけていたからなのです。そして、むらさき色のままだった液体の性質は中性といって、酸性とアルカリ性の間の性質です。

 

 ところで、どうしてこのふしぎな液体は色が変わるのでしょうか。それは、ムラサキキャベツに入っているアントシアニンという色のもとのためなのです。これが、液体の性質によって色を変えていたのです。
 そうすると、ムラサキキャベツではなくても、アントシアニンの入ったものを使えば、ふしぎな液体は作れるというわけですね。むらさき色の植物に入っていることが多いので、今の季節だと、こいむらさき色のブドウを食べたときに残った皮を使うとか、外に生えている赤ジソを取って来るのもいいですね。アサガオの花でも作れます。


ふしぎな液体の材料になるもの

 

 ふしぎな液体ができたら、さっそく実験してみましょう。ぜひためしてほしいのは、うめぼし、たまごの白身、温泉のお湯などです。ほかにも、どんなもので色がかわるか、いろいろさがしてみて下さい。色の変わるものはなかなか見つからないかも知れませんが、パッと色が変わった時は、うれしくなることまちがいなしです。
 

(展示情報係 石原 裕子)

 

2002年7月30日 福島民報新聞 「スペースパークで挑戦 夏休み!科学実験」より


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