科学の広場

46年ぶり皆既日食楽しもう

 7月22日、日本全国で日食を見ることができます。鹿児島県のトカラ列島などでは皆既日食になり、郡山では三日月ほどに太陽が欠けます。日本で皆既日食が見られるのは46年ぶりのことです。

 日食は宇宙の広がりを感じることができる貴重な天文現象です。みなさんもこの機会に、ぜひ日食をお楽しみください! 今回は、日食の安全な見方を紹介します。



7月22日、郡山市での日食の見え方

●日食はどうしておこる?

 日食とは月が太陽を隠す現象です。太陽がすべて隠れる日食を皆既日食といいます。このとき、太陽の周りには「コロナ」と呼ばれる白く淡い光が見えます。また、周囲が暗くなり、空には明るい星も見えてきます。

 一方、太陽の一部分が欠けて見える日食を部分日食といいます。今回県内で見られるのは、この部分日食です。

●何時ごろ見られるの?

 太陽が欠け始めるのは、9時58分ごろです。その後、西(右)側から太陽の姿が欠けていき、太陽がもっとも欠けて見えるのは11時12分ごろです。このとき、太陽は7割近く欠けます。もしもずっと外にいて注意深く観察していれば、周囲がほんの少し薄暗くなったと感じるかもしれません。昔体験した時は、なんとなく空の色がいつもと違う感じがしました。その後、太陽は12時28分ごろに元の姿に戻ります。



鏡で映した太陽を見る方法

●安全な楽しみ方

 太陽はとても明るく、直接見るのはとても危険です。望遠鏡などを使えば瞬時に目が焼けてしまいます。また、太陽は赤外線や紫外線といった目では見えない光(電磁波)を出しています。黒い下敷きやフィルム、すすをつけたガラス板などは、この赤外線や紫外線を通してしまうため、決して太陽を見ないようにしてください。太陽を見るためには専用の日食グラスなどを使いましょう。ただし、太陽を連続して長時間見ることは避けてください。

 その他にも、日食を楽しむ方法はいろいろあります。例えば鏡を使う方法です。小さな手鏡と1センチメートル程度の四角い穴を空けた厚紙などを用意します。厚紙で鏡の前を覆い、2メートル以上離れた場所に、太陽の光を反射させてください。十分離れた場所に映すと、欠けた太陽の姿を見ることができます。また、日食の時に木漏れ日を見ると、地面に欠けた太陽の姿が映っています。


 
 科学館では、日食の当日に郡山駅前で部分日食観望会を開きます。望遠鏡と太陽投影板を使って日食の様子をご覧いただけるほか、日食グラスや手鏡なども準備しています。

 また、展望ロビーでは皆既日食の中継や日食のお話も行う予定です。プラネタリウム一般番組では、前日まで日食の安全な見方なども紹介しています。

 次回日本で皆既日食が見られるのは、2035年になります。貴重な天文現象をぜひお楽しみください!

(事業課 近藤 正宏)

2009年7月16日 福島民報新聞 情報ナビ[たいむ] 「スペースパーク便り」より