太陽はとても明るい天体です。そのため、目で直接太陽を見ると、たとえ短い時間であっても、目の角膜や網膜などに深刻なダメージを受ける可能性があります。最悪失明の恐れがあります。
もう一つ、太陽は目で見える光の他に、目では見えない光(紫外線や赤外線など)を出しています。ですから、目で見てまぶしく感じなかったとしても、紫外線や赤外線により、気付かないうちに目にダメージを受ける恐れがあります。
昔は安全と言われていた方法も、現在では紫外線や赤外線を通してしまうために危険であることが分かってきたものもあります。下記のような方法では、決して太陽を観察しないようにしてください!
(C)GOTO
(C)NASA
望遠鏡や双眼鏡で太陽を見る
瞬時に目にダメージをうけます。
絶対にやめましょう!
直接太陽を見る
わずかの間でもたいへん危険です。
日食グラスを使って望遠鏡や双眼鏡で見る
望遠鏡はレンズなどで光を集めるため、
とても危険です!
サングラスやゴーグル
黒い下敷きやCD
すすをつけたガラス板
フィルムの切れ端
●注意!
太陽は目では見えない光も出しているため、まぶしく感じなくても危険です!
たとえ1秒でも、太陽を直接見ると、目にダメージを受ける可能性があります。
絶対に見ないでください!
[1] 専用の日食グラスや遮光プレートを使う
太陽を見るための日食グラスや遮光プレートは、様々なメーカーから出ています。
・どのくらいの時間見ていても安全か
・周りから光が目に入らないか
・破れたり、傷ついたりしていないか
以上の点を確かめ、使用に際しては付属の説明書などを必ず確認しましょう。なお、これらの商品は日食が近くなると品薄になることが予想されます。早めに手に入れることをおすすめします。
画像提供: 平野 岳史 氏
[2] ピンホールを利用する
太陽を直接見ないで、地面や紙などに映った太陽を見れば、安全に日食を観察することができます。
例えば、光を通さない厚紙などに小さな穴をあけて、日食中の太陽の光を当てます。
すると、穴を通って影の中に映った太陽の光が、欠けた太陽の形になっています。ピンホールカメラと同じ原理です。
画像提供: 加藤 一孝 氏
[3] 木もれ日を見る
木もれ日もピンホールカメラと同じ原理で、葉と葉の間を通った光が太陽の形になります。
左の写真は、日食中の木もれ日の写真です。
[4] 手鏡で映す
これもピンホールカメラの原理をつかったものです。小さな鏡(10p以下)の鏡で太陽の光を反射させ、建物の壁などに太陽の姿を映します。壁からは、鏡の大きさの200倍以上離れましょう。壁から十分離れれば、鏡がどんな形でも壁に映った光が太陽の形になります。
小さな穴を開けた厚紙で鏡を覆えば、小さな鏡の代わりとして使うこともできます。
[5] 望遠鏡の太陽投影板に投影する
天体望遠鏡では、取り付けた「太陽投影板」に投影した太陽を観察します。一度に複数の人が太陽を見ることができますので、便利な方法です。
ただし、望遠鏡の種類などによっては太陽の観察に適さないものもあります。それぞれの取扱説明書などをご確認ください。
左の写真は、太陽投影板に投影された日食中の太陽です。太陽を大きく拡大して見ることができますので、リングの様子などもよく分かります。