2013年11月29日に近日点を通過し、12月に観察しやすくなると期待されていたアイソン彗星ですが、残念ながら観察が難しい状況となってしまいました。
12月8日までの「アイソンスペシャル」や、プラネタリウム一般番組の中でも詳しくその日の状況を交えて解説していますが、これまでの状況などをあらためてご紹介します。
アイソン彗星は、11月上旬までは予想より明るくならず、双眼鏡でも見つけることが難しい状況でした。
11月中旬になり、明るさが増してきたことから、星を見るのになれていると双眼鏡でもぼんやりとした姿が確認でき、写真に撮影することで尾もはっきりとしてきていました。
郡山市内でも、S.P.V(スペースパークボランティアの会)会員の齋藤正一さんや、科学館スタッフが撮影しています。
ただし11月下旬に入るとだんだんと太陽に彗星が近づき、彗星自体の明るさは増してきたものの、夜明け前の薄明により空が明るくなる頃に空に昇る状況だったため、観察の条件が悪くなってきました。当館で11月23日に行った観察会「アイソン彗星市場観望会」では、かろうじて双眼鏡や望遠鏡でその姿を確認することができました。
その後は、太陽観測衛星「SOHO」の画像から彗星が太陽に接近する姿を見ることができましたが、太陽に最も近づいた後の姿が大きく変化していきました。
その様子は、SOHOのWebページから見ることができます。
・SOHOページ(英語:http://sohowww.nascom.nasa.gov/)
彗星の「核」がほとんどなくなり、残った物質が彗星の形をかろじて保っているようですが、だんだんと形が崩れていることが、12月1日までの画像からわかります。
12月2日以降はSOHOのカメラの視野から外れ、夜明け前の空で見られる星空の位置に彗星が移動しますが、一般に見ることはほぼ不可能でしょう。
一方で、「ラヴジョイ彗星」が話題となっています。明るさは、12月1日現在で4〜5等級で、目で星空を見上げて、簡単にはっきりわかるようにはなっていませんが、慣れた人が双眼鏡を使うと、ぼんやりとした姿を見ることができます。
空気の澄んだ現在の空では、青緑色のぼんやりしたラヴジョイ彗星の姿は、彗星としては見つけやすいほうでしょう。
アイソン彗星やラヴジョイ彗星の情報は、
・「アイソン彗星を見つけようキャンペーン」
(http://ison.astro-campaign.jp/index.html)
サイトにも出ていますので、あわせて最新の情報をキャッチしてしてください。