2004/04/01


 

 彗星とはいったいどんな天体なのか、彗星の一般的な内容を紹介するとともに、これまでに見られた大彗星のことや、彗星の思い出を紹介していきます。

 

<彗星ってなに?>

 彗星はその形から「ほうき星」とも呼ばれるように、長く伸びる尾が特徴の不思議な天体です。もちろん夜空に見える星座を作る星がこのような姿になるわけではありません。

 彗星は、私たちの太陽系の天体のひとつで、その正体はひとことで「汚れた雪だるま」とよく言われます。実際には、直径が数百メートルから数十キロメートルの主に氷のかたまりが彗星の「核」と呼ばれるところになります。「汚れた」というのは、核がチリに包まれているからです。

 彗星の核は太陽のまわりを回っています。太陽に近づいてくると、核が太陽からの熱で溶けてきます。すると核のまわりがぼんやりと包まれてきます。こうして明るく見られるようになります。さらに太陽に近づくと、尾が伸びてくるようになるのです。  もちろん、彗星の大きさや、太陽にどれくらい近づくかなど、明るさや尾の長さも条件によってずいぶんと変わります。肉眼で見られるくらいの明るさになる彗星は珍しいのですが、望遠鏡や写真で見られる彗星は年にいくつか発見されています。


望遠レンズで撮影した百武彗星の頭部の様子

 

<これまでの大彗星>

 「彗星」といえば、ハレー彗星の名前を多くの人が思い出されると思います。しかし最近でも、肉眼で見ることのできた迫力ある大彗星、双眼鏡を使えば十分確認できた彗星、予想ほど明るくはなりませんでしたが話題になった彗星はいくつかやってきました。下の彗星の中でいくつご覧になりましたか?

(下の区分は独断に基づくものですのでご了承ください)

【 肉眼でも見られた「大彗星」 】

【 話題の彗星・双眼鏡で見られた彗星 】

 ・1965年: 池谷・関彗星
 ・1970年: ベネット彗星
 ・1976年: ウエスト彗星
 ・1986年: ハレー彗星
 ・1996年: 百武彗星
 ・1997年: ヘール・ボップ彗星

 ・1974年: コホーテク彗星
 ・1983年: IRAS・荒木・オルコック彗星
 ・1990年: オースチン彗星
 ・1990年: レビ−彗星
 ・2001年: リニア彗星(C/2001 A2)
 ・2002年: 池谷・張彗星

 

<彗星の思い出>

 科学館スタッフや科学館ボランティアのみなさんが、これまでに実際に見た彗星の思い出をご紹介いたします。大彗星を目にした当時の興奮を少しでもお伝えできればと思います。

 

★ 初めてみた大彗星 〜百武彗星〜 (1996年)

 

★ ヘールボップ彗星を追いかけて (1997年)

 

★ S.P.V 天文グループの方が見た過去の彗星たち